贈り物マナー

贈り物を渡すとなると、商品を選ぶことに意識が向きがちですが、渡し方も重要です。
渡すタイミングや添える言葉など、何気ない振る舞いが相手からの印象を大きく変えます。
気持ちよく贈り物を受け取ってもらえるよう、シーンに応じた渡し方・正しいマナーを覚えておくことが大切です。

贈り物を渡すときのマナー

手土産の渡し方には、以下のようなマナーがあります。

  1. 紙袋や風呂敷から取り出して両手で渡す
  2. 相手から品物が正面になるよう渡す
  3. 一言添えながら渡す
  4. 立場が上の人に渡す
  5. 速く渡したほうがよい品物は玄関先で渡す

1つずつ解説していきます。

1.紙袋や風呂敷から取り出して両手で渡す

紙袋や風呂敷は「ほこりよけ」でもあり、そのまま渡すと失礼にあたるため、取り出してから両手で渡すのが基本です。

ただし、紙袋に入れたまま渡したほうがよいケースがあります。たとえば、贈り物が相手のカバンに入らない場合、持ち帰りやすいよう紙袋に入れたまま渡すのがマナーです。その際は「紙袋のまま失礼します」と一言添えると、相手からの印象もよくなります。

2.相手から品物が正面になるよう渡す

贈り物に文字や絵柄がある場合は、相手から見て正面になるよう渡すのがマナーです。一度自分の方に商品を向け、キズや汚れがないかチェックし、時計回りに90度ずつ回してから渡しましょう。

どちらが正面か迷ったら、相手が文字や絵柄を見やすいのはどちらかを考えると、正しい向きで渡せるでしょう。

3.一言添えながら渡す

贈り物を渡す際、感謝の気持ちや思いやりの言葉を添えると、受け取る側も気持ちがよいものです。

以前よく使われていた「つまらないものですが」という言葉ですが、へりくだり過ぎる印象を持たれることから使われなくなってきました。「お口に合うと嬉しいのですが」「ほんの気持ちですが」などのソフトな表現を添えるのがいいでしょう。

4.立場が上の人に渡す

複数の人がいる場所で贈り物を渡す際は、一番立場が上の人に渡しましょう。また、渡す側も一番上の立場の人からがマナーです。

5.早く渡したほうがよい品物は玄関先で渡す

玄関先で贈り物を渡すのは基本的によくありませんが、生鮮食品や生花など、早く渡したほうがいい品物は一言添えてから玄関先で渡しましょう。

贈り物を選ぶときのポイント

好き嫌いなどを事前にリサーチ

甘いものや辛いものなど、好みは人それぞれです。お菓子よりフルーツが好きという人もいるでしょう。
相手の好みをそれとなくリサーチしておくと、贈り物を選ぶときにとても参考になります。

本人の好みがはっきりしない場合は、お子さんがいるなら子供が好みそうなものを選ぶなどすれば喜ばれるでしょう。

地元のものは避けるのが無難

相手の地元のものや、どこででも手に入るお菓子などは避けましょう。
相手のお宅の近くにあるお店のものだと「時間がなかった?」「適当に選んだ?」という印象を持たれることもあるので注意が必要です。

季節限定品など、今しか手に入らないものを選ぶと、スペシャル感があり喜ばれるのでお勧めです。

冠婚葬祭など

冠婚葬祭での贈り物は、シーンによって相応しい品が変わります。
お菓子など幅広いシーンでも使える贈り物もあれば、シーンによっては縁起の悪いものもあります。
相手の状況やシーンに応じて、品物は慎重に選びましょう。

祝い事

人生には節目ごとにさまざまなお祝いごとがあります。こういった機会に接した場合、日頃のつき合いや関係に応じて心を込めた贈りものを選びましょう。

日持ちするお菓子などは喜ばれやすいので、品に悩むようなら、そういったものから選ぶのが無難です。

法事

法事に持参するお供えなど、どんなものにするか悩むものです。
お勧めなのは食べ物や飲み物です。仏前に供えたあとに「おさがり」として持ち帰れるため、飲食物は法事のお供えとして人気です。

個包装で日持ちのする和菓子系、マドレーヌなどの焼き菓子が便利です。肉や魚など、殺生につながるものは法事のお供えにはタブーですので避けましょう。